レプトスピラ症は、病原性レプトスピラという細菌によって引き起こされる感染症です。この細菌は犬だけでなく人にも感染するため、人獣共通感染症となっています。
レプトスピラには多くの種類(血清型)があり、このうち7種類は家畜伝染病予防法で届出伝染病に指定されています。
感染しても無症状なことも多いですが、レプトスピラが肝臓や腎臓などで増殖すると症状を示すようになります。
元気食欲がなくなり、発熱、黄疸、出血などが見られます。主に肝臓や腎臓が傷害されるため急性の肝不全や腎不全が引き起こされ、重症化すると死に至ることも少なくありません。
レプトスピラ症はワクチンを打つことで発症や重症化の予防をすることができます。
しかしワクチンは全ての血清型をカバーしているわけではないので、レプトスピラを含む混合ワクチンを打っていれば絶対大丈夫とは限りません。
2017年に大阪府でレプトスピラ症が立て続けに発生した事例があったのですが、これはワクチンでカバーできない血清型によるものでした。
そのため根本的な予防法は、レプトスピラと接触しないことになります。レプトスピラはネズミなど野生動物の尿に排出され、湿った土壌で長く生存することができます。
皮膚の傷口や眼の粘膜などから感染するので、山や水場に行く場合は注意が必要です。
また、大雨や台風などで水害が起きた後はレプトスピラが広がりやすく、より一層気をつけなければなりません。
気になる症状が見られた場合はすぐに動物病院を受診するようにしましょう。