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上野先生に聞く!

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2020年はオリンピック開催の年!と心弾んだのは最初の1か月程・・・そこから新型コロナウィルス感染症の問題が大きくなり、自粛要請に緊急事態宣言と重苦しい春を過ごすこととなりました。感染者数が増加するにつれ、休校や外出自粛、テレワークとこれまでの日常と様変わりをし、消費生活にも影響が出てきている様子を目の当たりにし、「まるで災害時と同じ・・・」そんな印象を持ちました。

そして今年も雨の季節が近づきつつあります。

西日本豪雨災害発生の折、広島市・呉市・東広島市の各避難所を回り、被災されたペット飼育者さんとペット達に支援物資や必要とされた情報提供をして、現場の状況を行政へ報告するボランティア活動をしました。

その際「多くの方に正しく知って正しく恐れて貰わなければ・・・」と感じました。

私は、この度の災害発生以前より「ペット災害危機管理士」として講演活動やセミナー開講をしてきましたが、被災現場は机上の学びでは想像できない事ばかりでした。安浦では一瞬にして土砂が押し流した集落を目の当たりにし、曲がった電柱や押しつぶされた車をみて自然災害の恐ろしさを感じました。ペットたちの状況は避難所によって様々でしたが、熱い真夏の避難所はペット達にとっても決して居心地の良いものではありません。飼い主さん不在時はサークルに入れるか短く係留するなどするため、ストレスが溜まります。朝夕の日課だったお散歩は泥や、乾いた砂ぼこりで歩きにくく、周囲の方の目が気になって犬を連れて歩くことすら躊躇する飼い主さんもいらっしゃいました。不特定多数の人や、他の動物が近くを通ることも、慣れない子には相当なストレスとなります。災害時の備え(自助)を強調して発信するようにしていますが、ペット用品の備蓄は半年に1度程度見直し、春夏の備えと秋冬の備えとで備蓄品の内容を変えることをお勧めします。また、土砂災害の際は、泥や砂ぼこりでペットの毛が埃っぽくなるため、ペット用のボディーシートもあると便利です。安佐南区の土砂災害・西日本豪雨災害で甚大な被害に見舞われましたが、今この記事を読んで下さっている方の中で、『1か月先のペット用品の備蓄が出来ている方がいらっしゃいますか?』『人慣れが十分にできていないワンちゃんの為に、しつけや慣らすためのトレーニングをしていらっしゃいますか?』災害発生後、数日でペット救護本部が県庁内に設置されますが、支援物資として避難所へペット用品が行き渡るようになるには、早くても3~5日はかかります。被災現場に近いなどの際には、物資の到着はさらに遅れてしまいます。物資として届くフードや雑貨類は一般的なものが多く、アレルギーや療法食、毎日の服薬が必要な子は尚更飼い主さんが余分に用意しておく必要があります。

今後広島県に影響を与えると予想される地震もあります。2019年7月に広島県は避難所開設時のペット受け入れのマニュアルを改正しました。が、これまでと違い、飼い主さんご自身が普段から備えて頂く「飼い主の責任」としての要項も明確に明記されました。

緊急地震速報や、豪雨の際に発令される警戒情報を的確に利用すれば、命を守ることが出来る時代にもなってきました。まずは、飼い主さんご自身の命を守り、ペット達の命も守る、しばらくの避難生活となっても終生飼養につながるよう、できることから始めて欲しいと思います。

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