今回、広島市消防局航空隊の取り組みは、視覚障害者の方と盲導犬の同時吊り上げの訓練が実施された事を取材させて頂きました。
その中で先ず、盲導犬の存在について少しお話させて頂きます。
盲導犬についての詳しいお話は、今後改めてを発信させて頂きたいと思います。
今回この訓練は平成30年7月西日本広域で豪雨災害にて、様々な状況が重なり、視覚障害者の方々と盲導犬が逃げ遅れ、被災されました。
しかしこの事がわかったのは後日だった為、2度とこの様な事を繰り返さない為に、被災された方と盲導犬、関係各所の協力を得ながら意見交換などをし、訓練に至った経緯があります。
なぜ盲導犬(補助犬)なの?
皆さん、「不可分」この言葉を聞いた事がありますか?私は、初めて聞きました。
「不可分」とは、2つに分けられない、を意味するそうです。
と、言う事ほ、盲導犬(補助犬)は不可分の存在となると、視覚障害者の方と盲導犬は一つであり、分ける、別々にする事が出来ない。
例えて言うなら自分の体をバラバラにする事は、出来ませんよね?それと同じで、盲導犬(補助犬)は、視覚障害者の方の体の一部となります。
そして、この事は道路交通、身体障害者補助犬法という法律に基づき、必要な訓練を受け、指定法人より「認定」を受けています。
そのため、ペットとは法的に区別されています。
(これだけでも私達が飼う家庭犬とは、大きく違っているのが分かりますよね。)
そしてこの盲導犬(補助犬)達は、特殊且つ大変な訓練を何度も何度も重ね、お仕事に就きます。
この他、登録は勿論ですが、狂犬病や混合ワクチンを初め、健康診断など、人と生活をする上で必ず必要とされている事をクリアしている事が条件でもあります。
しかし、これだけの訓練を重ねてもあの日の広島市内は、あっという間に水位が上昇し、目が見える人でさえ恐怖で動けない程だったと…。
その中を盲導犬を連れ避難所へ向かう事は、非常に難しいと想像が出来ますよね。
又、あの時、沢山の救助要請により、119番は繋がりにくい状態だったとも聞いています。
やまないあの大雨の中、目が見えず屋根や窓を打ち付ける雨音、あちらこちらで鳴り響く緊急車両などの様々な音が聞こえ続ける事は、どれだけ怖かったか…。
私達も目隠しをあの中にいたとしら、避難出来たでしょうか?
経験した事の無い状況の中、時間の経過と共に雨音は恐怖でしかなく、助けに来てくれる人が来るまでの時間はとてつもなく、長かったと想像出来ます。
こうして経緯があり、消防職員の方々、関係各所との救助研修、訓練が始まりました…。
続きます。