岡山県獣医師会 岡山VMAT隊長 甲斐先生に
岡山VMAT結成までのお話や活動、質問をさせて頂きました!
VMATについて
VMAT(Veterinary Medical Asisstance Team 災害派遣獣医療チーム)とは、獣医師・動物看護師・訓練士・トリマーなどで構成され、大規模災害や多くの傷病動物が発生した事故などの現場に、急性期(おおむね48時間以内)に活動出来る機能性を持った専門的な訓練を受けた獣医療チームの事です。災害医療支援チーム(DMAT)の動物バージョンと思って頂ければ分かりやすいと思います。
VMATが作られたのは、1992年のハリケーン被害での教訓からアメリカ獣医師会がVMAT育成プログラムをスタートさせました。
国内では2011年3月東日本大震災がきっかけとなり、船津敏弘の御尽力で2013年福岡県獣医師会に福岡VMATを日本で初めて結成しました。
その後、九州を始め、群馬、大阪、岐阜、沖縄など全国に広がって来ています。
岡山県獣医師会では2016年自然災害の増加に鑑み開業部会の中に災害対策委員会を作る事になりました。
そこで以前から阪神淡路大震災のボランティア活動等災害現場での経験をしている私が緊急災害対策委員長を引き受ける事となりました。
その後VMZT研修会を行っていた災害動物医療研究会に入会し災害医療を学び、岡山にもVMATを作りたいと災害対策委員会に訴えましたが、岡山は災害が少ない県の為なかなか協力が得られませんでした。
そんな折、2018年7月西日本豪雨災害が発生しました。
多くの命が失われた悲惨な災害でしたが、結果として岡山県獣医師会として災害動物対策に早期から対応した事で全国から一躍注目を浴びる事となりました。
この事により岡山VMAT結成への機運が高まり、多くの方々の御尽力で2020年7月隊員25名(獣医師20名、動物看護士3名訓練士2名)てスタートする事が出来ました。
その後コロナ禍の為なかなか活動が限られていますが、8月には岡山市や倉敷市防災訓練での動物同行訓練に参加、9月には九州VMAT合同訓練での地震のシミュレーション訓練に群馬・大阪・沖縄など共にZOOMミーティングと言う形で参加しました。
近年南海トラフ巨大地震がいつ起こってもおかしくないと言われています。
広範囲に被害が及ぶことが想定されているので、他からの救助を待っていては救えない命が多く出てきます。
今後は隊員を増やし、岡山県下各地域にチームを編成して災害に備えられるようにしていきたいと思っています。
そしてこの動きが広島県を始め、中国地方の他県にも広がっていく事を願っています。
飼い主様には、まずご自宅の防災、住まわれている場所はどんな災害に注意すべきかハザードマップを見て確認する、自宅の耐震診断の実施、家具の転倒防止対策を行った上で家族防災会議を実施する。
自分の命が助かって初めて、大切な動物の命を守る事が出来ます。
飼育動物には名札やマイクロチップ等を装着し、かねてから動物用食事や薬等、日常使用する物のストックを多めに用意しておき、是非ご家族で避難所まで動物を連れて避難路を歩いてみて下さい。